前から気になっていてCGに関する仕事をしている人口ってどれくらいなんだろうと、ちょくちょく調べるのですが良いデータがありません。なのでわかる範囲でメモしておこう思います。
ブログやSNSがどれくらいの人に見てもらえる可能性あるのかなと、ふと思ったので。
概要
働いている人は大体20万人くらい? 毎年入ってくる人は大体4000人弱くらい?
まとめておいてなんですが、かなり大雑把な調べなので数字遊びの娯楽として楽しんでもらえたらと思います。(信頼性は低いと思います)
専門学校の卒業生
令和からですが「公益社団法人東京都専修学校各種学校協会」がまとめてくれている東京都内の専門学校の卒業に関するデータ。大学や東京以外の全国の専門は含まれません。(協会はHAL東京なども含む都内の専門が所属する協会)
このデータは「ゲーム・CG」系の卒業生のデータです。
年度 | 卒業者数 | 就職希望者数 | 就職者数 | 就職率 (%) | 関連職種就職率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
2019年 | 1,440 | 1,323 | 1,281 | 96.8 | 95.9 |
2020年 | 962 | 589 | 541 | 91.9 | 90.4 |
2021年 | 1,179 | 909 | 807 | 88.8 | 78.6 |
2022年 | 1,149 | 942 | 850 | 90.2 | 85.2 |
2023年 | 1,275 | 1,087 | 1,023 | 94.1 | 91.3 |
公益社団法人東京都専修学校各種学校協会のデータより数字を引用。
2020年はコロナの時期なのでそこで一旦下がってそこから徐々に上がってきている感じですね。卒業生は大体1000人前後くらいですね。
実際に就職しているのはそのうちの9割り程度なので900人。
これが、これからCGに関する仕事に追加される人口ということでしょう。(数年で離職する人も多いので定着する人は更に減るとは思います)
引用元のデータ↓
令和元年(2019年)卒業者数: 1,440人(男子1,200人、女子240人)
就職希望者数: 1,323人
就職者数: 1,281人
就職率: 96.8%
関連職種への就職率: 95.9%
令和2年(2020年)卒業者数: 962人(男子411人、女子551人)
就職希望者数: 589人
就職者数: 541人
就職率: 91.9%
関連職種への就職率: 90.4%
令和3年(2021年)卒業者数: 1,179人(男子999人、女子180人)
就職希望者数: 909人
就職者数: 807人
就職率: 88.8%
関連職種への就職率: 78.6%
令和4年(2022年)卒業者数: 1,149人(男子976人、女子173人)
就職希望者数: 942人
就職者数: 850人
就職率: 90.2%
関連職種への就職率: 85.2%
令和5年(2023年)卒業者数: 1,275人(男子1,115人、女子160人)
就職希望者数: 1,087人
就職者数: 1,023人
就職率: 94.1%
関連職種への就職率: 91.3%引用元
https://tsk.or.jp/image/pdf/ds/dw-toukeiR01no2c3.pdf
https://tsk.or.jp/image/pdf/ds/dw-toukeiR02no2c3.pdf
https://tsk.or.jp/image/pdf/ds/dw-toukeiR03no2c3.pdf
https://tsk.or.jp/image/pdf/ds/dw-toukeiR04no2c3.pdf
https://tsk.or.jp/image/pdf/ds/dw-toukeiR05no2c3.pdf
公益社団法人東京都専修学校各種学校協会より引用
【就職希望者の実態】
2020年は卒業者は1000人弱ですが「就職希望者」は600人弱。他の年に比べて「卒業者」との乖離が激しいです。コロナの年だったので色々とあったのでしょう。
ところでこの「希望者」は何か? コロナの年は特別して、私の体験談からですが、就職率の数字を上げるマジックだと思っています。
就職ができないとやる気がないということで「あなたは就職希望じゃないですよね?」と詰められて就職率の分母から外されます。最後まであきらめないで履歴書を送り続けると希望者に入ると思いますが、なかなか面倒で辞めちゃう人も多いですね。 (私も詰められたことがあります)
卒業後に自営業になる人も希望者から外されると思いますが、少数派でしょう。
この「就職希望者」と「卒業者」が乖離(かいり)が高い場合は、個人的にはあまり生徒のやる気などを引き出すことは苦手な学校なのかな、と思います。
【男女差】
大体の年で男の比率が圧倒的に多いのですが、2020年だけ男女比が同じくらいになっていますね。入学する年に何か女性人気のアイドルものでもあったのでしょうか。
【全国の卒業生を予想してみる】
全国の専門学校と東京の専門学校の正確な数と比率はわかりませんが、パープレシキシティで簡単にですが調べてみました。
CGデザイナーを目指せる専門学校は全国に151校存在しています。東京都のCGデザイナーを目指せる専門学校は62校あります。
ということなのでこれが正しいとして、東京だけで大体41%くらい。計算を簡単にするために東京の卒業生は1000人くらいで4割ということにすると、CG関連卒業生は年間大体2500人くらいでしょうかね。
コロナ前は東京の卒業生が1500人弱いたので徐々に戻って来るとして近々3000人くらいとかになりそうですね。
あとで記載しますが、これは専門学校だけなので大学などは含まれていません。大学も含めるともう少し増えますね。
CGワールドの発行部数
昔から発行されているCG関係の雑誌。学生の方はCGワールドの求人をみたりしていたのではないでしょうか。
【思い出】
私も学生のときはよく読んでいましたが、社会人になってからはあまり読まなくなった気がします。周りの人も社会人になってからは昔ほどは読まなくなったという声をよく聞きます。単純に時間がなくなったのですかね。全部読もうと思うとなかなかのボリュームがありますし。
一時バックナンバーも含む全号がKindleUnlimitedで読み放題になっていたのですが、あまり読まれなかったのか撤退してしまいました。またやってほしいですが、Unlimitedの仕組み的にたくさん読まれるほど収入が得ることができるので、どちらかというと世間的には狭く深くの雑誌なので、正直向かないだろうなと思います。
【発行部数とアクセス数】
話がそれてしまいましたが、CGワールドの読者数から情報を紐解いてみたいと思います。
2023年7月時点の情報によれば、発行部数は約12,000部で、定期購読者数は約3,300名(社)とされています。
また、ウェブサイト「CGWORLD.jp」も運営しており、月間ページビュー(PV)は約56万、ユニークユーザー(UU)は約22万と報告されています。これらの数字は、CGや映像制作に関心のある多くの読者やユーザーに支持されていることを示しています。https://cgworld.jp/assets/pdf/recruiting_ad_2023.pdf?utm_source=chatgpt.com
https://cgworld.jp/ の情報より引用広告を掲載する人向けの情報ですが、色々と情報がのっていた面白いですね。
【広告費】
求人広告は
3カ月プラン:各月 5 万円(15万円)
6カ月プラン:各月 4 万円(24万円)1 社あたりの応募者数・想定 PV 平均(月間)
3.5 件(2022 年 1 月~ 12月平均)
220 PV(2022 年 1 月~ 12月平均)応募のヒット率が高いように感じます。ただ平均なので大手に応募は偏ってそうな気もします。
インタビュー記事は70万、紙媒体での掲載は2ページフルカラーで50万。ホームページ広告のバナーは15万~95万円。
特に広告したいものがあるわけではないですが、いつか無意味に雑誌に掲載してみたいものですね。
【ソフトのシェア】
327件のアンケートによってなにのソフト使っているかの調査が載っています。
https://cgworld.jp/assets/pdf/recruiting_ad_2023.pdf?utm_source=chatgpt.com より引用 やはりMayaが強いですが、Blenderがかなり検討しています。浸透スピードを考えると驚異的ですね。2025年には同じくらいになっているかもですね。(ただ周りの意見を聞くと大規模開発には最適化されてなさそうなので今はmayaや3dsmaxの方が使いやすいかもですね)
3dsmaxはすでに抜かれています。アニメだとよく使われているイメージでしたが。
z-brushはかなりシェアが高いのだなとびっくりしました。最終的には統合の3dソフトにアウトプットされるので、シェアが高いかなと思いました。それと3つまで使用するソフトを選べるのでmayaと3dsmaxやBlenderなど使っている人がそれぞれz-burashを選ぶとシェアは高くなるのかなとも思いました。
このアンケート私も回答した記憶があります。なにかのイベントに申し込み時に回答したような気がします。こういったデータを出してくれるのは本当にありがたいですね。
2023年7月のデータなので少し古いですが、短期でそんなに変化するものでもないのかなと思っています。正直発行部数が1万ちょいなのか、と少ないと思ってしまいます。(近年、本が1万部売れるのは本当にすごいことです。私個人の感覚の話です)
【CGワールドの売上】
一冊1500円程度なので、かける1万2000部で毎月1800万円の売上、年間で2億1600万円の売上。
個人から見るとすごいですね。それプラス雑誌の掲載料やHPの広告もあるのでさらに売上がすごそうです。そこから人件費などどれくらいかかるのか次第ですが、利益もかなりありそうです。
【ホームページのアクセス数とXのフォロワー】
ホームページのユニークユーザー数(一人何回アクセスしても一人としてカウント)を見ると22万人ということなので、それくらいは興味のある人がいるのでしょう。ただ実際に業界に従事している人と、学生の方のかなり多いのかなと思います。CGワールドは関連知識もそうなのですが、CG関連の求人を見ることも多いと思います。
執筆当時(2025/1/3)のTwitterのフォロワー数が6.8万人。2023年は5.8万人だったので1万くらい増とかなり増えていますね。
【予想人口】
フォローしていない人もいると思うのと、CGワールドのホームページのユニークアクセス数も踏まえて考えて10万~30万人くらいはCG関係者はいるのかなと思います。
この中からアニメ関係のCGの人だけ抽出したいなと思うのですが、難しいですね。機会があれば求人数から数を調べてみたいと思います。激減しそうなのと、最近はシームレスに関係なく働いている人もいるのでより難しいですね。
厚生労働省の関連サイトのデータ
色々と調べたあとで発見しましたが、厚生労働省関連のjobtabというサイトに統計データがありました。
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/329
就業者は大体20万人程度のようです。CGワールドのホームページのユニークアクセス数と同じくらいですね。
【大学を含む卒業生の推察】
学歴の項目を見ると専門学生が42.9%の締めています。

そんなに正しいデータではないかもしれませんが、東京都の専門学校の卒業生が1000人として、全国の4割だとして計算したら全国の専門学生の卒業生は2500人くらい。
今現在の学歴の話なので昔と今では卒業生の比率が違うと思いますが、単純化するためにそのまま計算すると「5827人」。
個人的にはかなり多く感じますね。
最初の東京都の卒業生を切りよく1000人にしていましたが、元はもう少し多かったので実際は6000人近くなると思います。
しかしこの数字は「卒業生」であって「就職した人」の数ではないので、大学なども専門と同じく就職率が9割くらいだとしたら、実際にCG関連の会社に入ってくる人は「5400人」程度。
【離職率】
毎年CG関連の会社に「5400人」くらいが入ってくるとして、そこから辞めていく人もいます。
3年以内で辞める人が3割り程度のようです。
引用元:https://cgworld.jp/regular/202008-cgwresearch010.html
感覚的にもそれくらいなような気もします。年によってかなり違うのでなんともいえないですが。
しかし別のCG関連の会社への転職もあるのでどれくらいがCGから離れていくのかはわからないですね。
仮に3割だとして計算して、5400人から引いて残りは「3780人」
毎年CG関連の会社に追加されている人数が「3780人」。4000人弱、まぁそんなものなのかなと思います。
一応ゲームなどデジタルコンテンツ系のCGを扱う市場は成長産業のようなのでそれに比例して人口が増えていくのでしょう。新しい産業だとは思うので年齢でやめていく人の割合もまだ少ないと思いますので、減る数も少ないでしょう。
他業種からの転職もあるのかもしれませんが、その場合は夜間の専門学校に通うことが多い気がするので結局専門学校の卒業生に含まれるのかなと思います。
【東京の就職人口】
ちなみに東京の就業者人口は3割くらいのようです。私調べなので正確性は低いですが、東京の専門学校の割合が4割くらいだったのすこしあぶれています。なので就職の際に全国に散らばっていく感じですかね。
最近は博多の方など九州の勢いがあるのかなってイメージですね。特にゲーム系が多いイメージです。沖縄にもCGスタジオがあったりしますから、全国に散らばっていますね。勝手なイメージですが遊技機系は名古屋が強そうなイメージがありますね。

おまけ:給料
給料面のデータも載っていて少し気になったのでついでに少しだけ。平均年収が500万円。しかし給料が25.8万円、年収すると309.6万円。かなり差がありますね。
おそらく月給に残業やボーナスが含まれていないので、残業がすごく多いか一部の人のボーナスによって平均がバク上がりしてるような気がします。
それと求人倍率が低いなと感じましたね。意外と仕事はありそう。
細かく見ていくと長くなりそうなので需要があれば別途まとめたいと思います。

まとめ
正しいデータか自信はないですが、
- 毎年の専門学校卒業生が「東京都が約1,000人(全国の約4割)」「全国が約2,500人」。
- 大学なども含むCG関連に就職しようとする卒業生全体は「専門学校生が約2,500人」「大学などその他含む卒業生約6,000人程度」。
- 卒業生のうちに実際に就職する人は大体9割くらいだとして、就職率90%を考慮 → 約5,400人。
- そこから辞めていく人もいるので、離職率3割だとして考慮 → 約3,780人。
最終的に毎年CG関連の会社に追加される人数は「約3,780人」だと思います。
身の回りの一部の人間関係の範囲しかわからないのでなんとも言えないとは思いますが、皆さんの肌感覚とあっていますでしょうか? かなりかけ離れてるなと感じるでしょうか?
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