映像を作るときにカメラから見えているモーションが良ければよい、という方が多いと思います。
最終的には私もそうだと思います。
しかしCGアニメーターの場合は最初は3D的に正しい動きをつけた方がよいです。そのうえでそのカットに合わせた調整を行う。
なんとなく動きに違和感があるなーとかあまり動くない人ほど一度3D的に正しい動きをつけた方がです。頭の中ですべてを描き切れているすごいうまい人とかなら必要ないことかもしれません。
アニメ制作においてCGアニメーションをしているときに思っていることです。
正しい動きか?
カメラから見えている映像がよければよいんじゃないのか?と思うかもしれませんが、なぜ3D的に正しいモーションを付けた方がよいのか?
それは正しいモーションか判別するためです。
どこかおかしいなーと思ったときに全体を見てみて、重心がおかしいとか、関節がおかしいとかそういったところを修正してあげるのです。
そうすると違和感が取れやすくなります。
上半身だけ映るっているからといって胸辺りから上だけつけてしまうとどこか硬い動きの印象になってしまうかもしれません。人間腰からの影響も受けますし、脚運びの重心の移動のタイミングなどもカメラから見えている情報だけだと判別しにくい場合もあります。
なのでまず目印として全体の動きをつけるべきです。すべてをつける必要はありません、重心やタイミングなどが分かる程度につければよいです。足先の指の動きなどはいらないです。
絵コンテやLO(レイアウト)に合わそうと思って無理やり合わせるとどこか違和感が出やすいです。それは3D的に正しくないかもしません。
もちろん何か演出的にやりことがあってわざとやっているのであれば問題ないです。
一度3D的に正しい状態を作って違和感をとってから、そのカットに合わせた嘘を調整していくのです。カットには演出意図がありますが、それを汲んだ上でなるべく違和感が出ないように調整しましょう。
リテイク対応
自主制作なら起こらないと思いますが、仕事でアニメーションをつけているとリテイクが発生します。
CGディレクターだったり監督だったりクライアントからのリテイクだったり前後カットの合わせだったりで修正することがあります。
そういったときにもカメラから見えていればいいだけのモーションだと大変だったりします。
これは極端な例ですが、階段を上っているカットがあったとして、カメラから見えている絵的には問題なのですが、少しでも角度を変えると足を踏み外している状態になっているものがありました。
こういうカットはリテイクが出たときに対応しにくいです。最悪作り直しです。
なので3D的に正しいモーションをつけておくと違和感に気が付きやすし、調整もしやすいです。
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