メカデザイナーの人のデザインはかっこいい。
だけど3D化して動かそうとすると、アニメーターとういかCG関連の人から見るとこいつ動かねぇ、とかめっちゃめり込むやん! ってよくなる。
“めり込む”ってのは3D化したときにポリゴン同士が貫通しちゃうこと。極端にめり込んだり動かすとパーツのかみ合わせがおかしくなったりすると”こいつ動かねぇ”ってなります。めり込みはゲームだと当たり前に起こっていますがCGアニメーションの場合はなるべく避けます。
メカデザイナーさんのデザインはあくまでかっこいいデザインなので実際に稼働するかはまた別な話だ。メカデザイナーさんはあくまでメカっぽいデザイン力が強い人であって、メカの構造が実際にこうなってこう動いているとかはまた違う力だ。
個人的な感想だがどちらかというとミリタリーオタク系の人はこういうの強そうな気がする。というかよく突っ込まれる。
3D化はありがたい
メカデザイナーさんの中には、たまに3Dソフト使ってモデルを作ってくれている人もいます。
これはめっちゃありがたいです。絶対にあったほうがいい。
しかし動かす前提で作られている訳ではなくて積み木のような感じでぶっ刺しで作られていることが多い。そのモデルを動かそうとすると関節部分が互いに干渉してめり込むことがよくある。
実物なら動かない、もしくは破損するだろう。
よく聞くのは膝の部分に突起物をつけること。突起物が付くと可動域が狭まって全然動かせなくなる。
こういうのを何とかする必要がある。
実際はどうしているのか
じゃあ動かすときにどうしているのかというと、スキンの調整でなんとかするか、めり込みが目立つ部分には別途追加コントローラーを仕込んで調整できるようにする、それでもどうしようもない場合はカット単位で頑張って何とかしています。
全身が映っているカットの場合は多少めり込んでも目立たないので問題ない場合が多い。全身映っているカットはある程度引きのカットなので目立ちにくいのだ。
アニメをよく見ていると分かるのですが、実際のカットの場合は全身映っているカットより一部分だけ映っているカットの方が多いです。その分アップになるのでより目立つ。
さらに問題なのは特定部位を見せたかったりするカット。ピンポイントでめり込みやかみ合わせ部分がアップで映るカットだ。
デザイン段階だとそんな演出するとは基本的に分からなかったりするので、その部分はなんとなくかっこいいパーツが付いていればよいってだけで割と適当な場合も多い。
その場合は追加でそのカット用のディティールをアップさせて整合性が合うように動くように調整したモデルを用意する。
別途用意するのはそっちの方が楽だからだ。最初から使うかもわからないリグや細かいパーツを仕込んでおくと、作業時にデータ重くなって全体としてはやりにくい。
こんな感じで何とか対策して動かしている。
多分分からないだろうが、実際はまっすぐなはずのパーツが実は湾曲しているなんてことはよくあるだろう。
理想のデザイン
なんだかんだ言っているが、正直効率のいい動かし方とか現実的な構造とかを言い出したら基本的にみんな同じような形状になってしまうのだろう、とも思う。
それはそれで正しいのだろうが、みんなが見たいかっこいいメカではなくなり人気が無く面白くないだろう。
なのである程度は仕方ないし、かっこいいは正義だと思います。しかし映像化(動かす)に向くデザインと向かないデザインはあります。そこのバランスが取れているデザインだと最高です。
個人的にはなるべく関節部近くに大きなパーツが無い方がうれしいなーって思います。
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